当院は内視鏡治療を専門としたクリニックです。
学会専門医による診療で安心、信頼を目指します。
最新の内視鏡装置やAIによる補助診断装置を導入し高精度の診断を提供します。
内視鏡検査 目次 LIST
大腸内視鏡検査のすすめ
胃内視鏡検査のすすめ
大腸カメラ検査の詳細案内
胃カメラ検査の詳細案内
大腸内視鏡検査のすすめ
当院の大腸カメラの方針
下部内視鏡(大腸カメラ)では小児用にも使えるやわらかいタイプの内視鏡を導入しています。
腸に対する当たりがソフトでより侵襲が少なく低深度麻酔との相性も良好です。
最近は比較的強い麻酔を効かせ完全睡眠状態で全く記憶がなくなった状態で内視鏡検査を行う施設もみられます。
楽=強い麻酔=安心・内視鏡精度が高いとは限りません。
当院では患者様に合わせて麻酔量を調節し過度の鎮静に気を付けながら、技術で高い検査精度を支える方針です。
便潜血検査にひっかかったら速やかに大腸検査を受けよう
日本においては便潜血検査(FOBT)を用いた大腸がん検診は、大腸がん予防に重要な役割を果たしています。
40歳以上の成人を対象に年に1回、便潜血検査が推奨されています。
検便は1日のみの、一回法より2日分提出する二回法が優れています。
この検査により、大腸がんの早期発見が可能となり、手術や内視鏡的切除などで治療できる段階での介入が進められています。
便潜血検査により大腸がんによる死亡率が約60%減少したとする研究結果もあります。
一方で便潜血検査には
- 受診率の低さ
- 陽性なのに放置(大腸カメラを受けない)
といった問題があり、進行大腸がんの発見機会喪失の理由として見逃せません。
便潜血で見逃されるのはどんなもの?
便潜血反応検査(FOBT)は、大腸がんのスクリーニングとして広く使用されていますが、この検査で見逃されやすい大腸がんも存在します。
見逃されやすい大腸がんには以下のような特徴があります
- 1. 出血量が少ない大腸がん
便潜血反応検査は便中の微量な血液を検出するものであり、出血量が少ない場合、検査で検出されないことがあります。
特に早期のがんや表在型のがんは出血が少ないため、検出が難しい場合があります。 - 2. 位置的な要因
がんが大腸の右側(盲腸や上行結腸)にある場合、便が硬く形成される前に通過するため、出血が便に混じりにくくなります。
これにより、検査で見逃される可能性が高まります。 - 3. 周期的な出血
がんが常に出血しているわけではなく、周期的に出血することがあります。
検査が出血のない時期に行われた場合、陰性と判定されることがあります。 - 4. 特定のがんのタイプ
一部のがんは粘膜下やポリープとして発生し、出血を伴わないことがあります。
これらは便潜血検査では検出が難しいです。
以上のような理由から、便潜血反応検査のみでの大腸がん検診には限界があるため、追加の検査(例えば大腸内視鏡検査)が推奨される場合があります。
大腸がんのリスクファクター
大腸がんのリスクファクターには、以下のようなものがあります
- 1. 年齢
- 大腸がんは50歳以上の人に多く見られますが、若い人にも発症することがあります。
- 2. 食事
- 高脂肪・低繊維の食事や、赤肉や加工肉の過剰摂取が大腸がんのリスクを高めるとされています。
- 3. 肥満
- 肥満や運動不足もリスク要因です。
- 4. 喫煙と飲酒
- 喫煙や過度の飲酒は、様々ながんのリスクを増加させますが、大腸がんも例外ではありません。
- 5. 慢性炎症性腸疾患
- クローン病や潰瘍性大腸炎などの慢性の炎症性腸疾患がある場合、大腸がんのリスクが増加します。
- 6. 糖尿病
- 特にインスリン抵抗性が高い場合、リスクが増加すると考えられています。
家族歴がある場合、大腸がんのリスクは確実に高まります。
特に、直系親族(親、兄弟、子ども)の中に大腸がんの患者がいる場合、そのリスクは倍増するとされています。
また、遺伝性非ポリポーシス大腸がん(HNPCC)や家族性大腸腺腫症(FAP)といった遺伝性の症候群がある場合、若年での発症リスクが非常に高くなります。
症状別:こんな症状があれば大腸カメラを考えましょう
下記の症状があれば大腸内視鏡検査が可能な専門医にご相談ください。
- 1. 血便
大腸がんの初期兆候として、排便時に血が混じることがあります。
特に鮮血が便やトイレットペーパーに見られる場合、直腸や結腸の下部に腫瘍がある可能性があります。
また、血が暗赤色や黒色の場合は、腫瘍が大腸の奥側や小腸にあることが疑われます。 - 2. 便習慣の変化:
通常の排便リズムに変化が生じた場合、例えば下痢や便秘が長期間続く、便が細くなる、または便が出にくくなるなどの症状が見られると、大腸がんの兆候の可能性があります。
これらの症状は腫瘍が腸内で物理的に妨げを作っているために起こることがあります。 - 3. 腹痛や下腹部の不快感
腹部の痛みやけいれん、膨満感が続く場合、大腸がんの可能性があります。
腫瘍が腸の壁を侵している場合や腸内の通過障害を引き起こしている場合に痛みが発生します。 - 4. 体重減少
特に意図しない体重減少は、がんを含む様々な重大な健康問題の兆候である可能性があります。
腸内の腫瘍が栄養の吸収を妨げるか、がんが体の代謝プロセスに影響を与えている可能性があります。 - 5. 貧血(鉄欠乏性貧血)
大腸がんによる慢性的な出血がおきると時間をかけて血液中の鉄分が不足し、鉄欠乏性貧血が生じることがあります。
この結果、疲労感や息切れ、顔色の悪さなどが見られることがあります。
女性はもともと貧血を呈する方の割合が多く見逃されがちです。一度は疑ってみる事が大切です。
他院で一年以上漫然と鉄剤の処方が行われており大腸がんが見逃されていたケースがあります。
貧血の原因について考えないような医師には要注意です。
大腸カメラのメリット
大腸内視鏡検査は、単に病気を発見するためのものだけではありません。
検査中に発見されたポリープをその場で除去できる場合もあります。
これは、将来的ながんの予防にもつながり健康維持に大いに役立ちます。
まとめると、貧血や便秘などの腹部の症状がある方は、大腸内視鏡検査を受けることが非常に重要です。
これらの症状は、軽視できない重大な疾患のサインである可能性があります。早期に検査を受けることで、命に関わる病気を未然に防ぎ、健康で長生きするための第一歩を踏み出すことができます。
不安や恐怖を感じるかもしれませんが、それ以上に得られる安心感と健康への投資が大きいことを理解し、ぜひ検査を受けることをお勧めします。
日本人の場合、約10人に1人が大腸がんに罹患すると言われています。
これは、男性も女性も含めた生涯罹患リスクの推計値です。
大腸がんは日本において非常に一般的ながんの一つで、特に50歳以上の人々に多く見られます。
潰瘍性大腸炎とクローン病;増加する炎症性腸疾患について
潰瘍性大腸炎(UC; ulcerative colitis)やクローン病(CD; Crohn’s disease)といった炎症性腸疾患(IBD: Inflammatory Bowel Disease)は、主に腸管に慢性的な炎症を引き起こす疾患で、病因ははっきりとはわかっていませんが、遺伝的素因、環境要因、免疫系の異常などが複雑に絡み合っていると考えられています。
これらの疾患は、慢性的な下痢、腹痛、体重減少、血便といった症状を特徴とし、生活の質に大きな影響を及ぼします。
潰瘍性大腸炎(UC)とは
- 定義と特徴
- 大腸の粘膜に限局して炎症が起こる病気で、大腸全体に広がることがあります。
炎症が連続的に広がり、びらんや潰瘍を形成するのが特徴です。 - 症状
- 主に下痢、腹痛、血便がみられ、症状は寛解(症状が軽減・消失する状態)と再燃(症状が再発する状態)を繰り返します。
- 重症化リスク
- 長期間の炎症が続くと、大腸がんのリスクが高まるため、定期的な内視鏡検査が推奨されています。
クローン病(CD)とは
- 定義と特徴
- 口腔から肛門までの消化管のどの部位にも炎症が起こり得る病気で、特に回盲部(小腸と大腸の接合部)に好発します。
潰瘍性大腸炎と異なり、非連続性の炎症(スキップ病変)が見られることが特徴です。 - 症状
- 下痢、腹痛、体重減少が主な症状で、潰瘍や瘻孔(腸と他の臓器や皮膚との間に異常な通路ができる状態)を引き起こすことがあります。
また、栄養不良や成長障害なども問題となります。
日本における罹患率のトレンド
日本では、IBDの罹患率は近年増加傾向にあります。以下にその背景や具体的な数値を示します。
1. 潰瘍性大腸炎(UC)の罹患率
- 日本での潰瘍性大腸炎の患者数は、1950年代には極めて少数でしたが、1960年代以降急増し、2020年時点では約22万人に達しています。
- 潰瘍性大腸炎の罹患率は年々増加しており、現在では人口10万人あたり約200人とされます。
- 罹患者の増加は、都市化や食生活の西洋化、ストレス増加などが背景にあると考えられています。
2. クローン病(CD)の罹患率
- クローン病の患者数も同様に増加傾向にあり、2020年時点で約4万人とされています。潰瘍性大腸炎と比べると患者数は少ないものの、増加のスピードは似通っています。
- 日本での罹患率は人口10万人あたり20~30人程度と報告されていますが、クローン病はより若年層(10代から30代)に多く見られ、長期間の治療が必要な場合が多いです。
増加の背景と原因
- 食生活の変化
日本におけるIBDの増加は、食生活の西洋化が大きな要因とされています。高脂肪・高タンパクの食事や食物繊維の摂取不足が腸内環境に影響を与え、免疫反応を変化させることが考えられています。 - 都市化とストレス
都市化による生活環境の変化やストレスの増加も、IBDのリスクを高める一因とされています。特に、都市部ではIBDの患者が多い傾向が見られます。 - 診断技術の向上
内視鏡技術や画像診断の進歩により、早期に診断されるケースが増えたことも、罹患者数の増加に寄与しています。
まとめ
潰瘍性大腸炎やクローン病は、かつては日本では稀な疾患でしたが、生活習慣の変化や診断技術の向上に伴い、近年急速に増加しています。
これらの疾患は慢性で治療が長期化するため、患者と医療者との密な連携が求められ、適切な治療と経過観察が重要です。
大腸カメラのメリット炎症性腸疾患における内視鏡検査の役割について
1. 疑診時の内視鏡検査
IBDが疑われる段階では、内視鏡検査は確定診断のための最も重要な検査です。
内視鏡を用いることで、腸内の炎症の部位、範囲、程度を直接観察できるため、潰瘍性大腸炎とクローン病の鑑別に役立ちます。
潰瘍性大腸炎では大腸粘膜の広範なびらんや潰瘍が見られるのに対し、クローン病では非連続性の病変や回盲部の炎症が特徴的です。
また、生検による病理診断も可能で、組織学的な所見を得ることで診断精度が向上します。
2. 治療開始直後の内視鏡検査
治療を開始した直後や数週間以内に内視鏡検査を行うことで、治療に対する反応を評価することができます。
特に、ステロイドや生物学的製剤を用いた治療を開始した後に、内視鏡による粘膜の治癒状況を確認することは、治療の適切さを判断する上で重要です。
炎症が早期に改善している場合、予後が良いとされており、逆に改善が乏しい場合は治療方針の見直しが必要です。
このような粘膜治癒の評価は、再燃リスクの低減に直結するため、治療効果をモニタリングする上で不可欠です。
3. 維持療法中の内視鏡検査
IBDは慢性疾患であり、症状が安定している時期でも再燃のリスクがあります。
そのため、維持療法中にも定期的な内視鏡検査が推奨されます。これにより、症状がなくても腸内に潜在的な炎症が残っていないかを確認し、必要に応じて治療の調整を行うことができます。
また、特に潰瘍性大腸炎の患者では、長期間の炎症が続くことで大腸がんのリスクが上昇するため、癌の早期発見を目的とした内視鏡検査も必要です。
4. 再燃時の内視鏡検査
症状が再燃した場合にも内視鏡検査は重要です。再燃の原因が炎症の悪化によるものか、他の要因(感染症や薬剤性の腸炎など)によるものかを判断するために必要です。
適切な再燃の評価を行うことで、適切な治療を迅速に開始でき、患者の苦痛を早期に緩和することができます。
まとめ
内視鏡検査は、IBDの診断から治療、経過観察まで、病態の各段階において不可欠なツールです。
病状の正確な把握や治療方針の最適化、再燃リスクの低減、さらには癌の早期発見にも寄与するため、患者にとって質の高い医療を提供するためには欠かせません。
胃内視鏡検査のすすめ
苦痛の少ない内視鏡
上部内視鏡(胃カメラ)ではオリンパス社製細径カメラを導入しました。
院長は麻酔なしでの経口内視鏡検査もながく行っており、普通の方であれば注射麻酔を使う事なくそれほど苦痛なく検査を終えることが可能です。
検査後はすぐに説明を受けお帰り頂けますし自動車の運転も可能です。是非ご利用ください。
のどの反射が強く以前に無麻酔のカメラで苦痛が強かった方は少量の静脈麻酔を用いた検査をおすすめします。
どちらが良いかわからない方は念のため麻酔の同意書を頂いたうえで両方対応できるようにしましょう。
ピロリ菌感染と胃の病気
日本人の胃がんはピロリ菌感染率の減少、早期発見と治療の普及により、年々減少傾向にあります。
特にピロリ菌の除菌治療が普及し、環境改善に伴い若年者の感染者が減少してきたことが大きな要因です。
ピロリ菌による胃がんを予防するためには、まずピロリ菌検査を受けることが重要です。
会社の検診や町田市胃がんリスク検診(ABC検診)を利用して菌の感染がないか調べましょう。
陽性の場合は内視鏡検査が必要です。内視鏡検査では現在の胃の状態やがんが出来てない事を確認します。
その後医師の指導のもとで除菌治療を行ってください。
除菌後も定期的な胃内視鏡検査を受け、早期に異常を発見できるようにすることが推奨されます。
ピロリ菌が関与する胃十二指腸の病気には、
- 慢性胃炎
- 胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍
- MALTリンパ腫
- 胃がん
などがあります。
食道・胃・十二指腸のよくある病気
上腹部の痛み、胸やけ、胃酸逆流症状、黒色便、食欲不振などの症状がある方には胃カメラ検査をお勧めします。
胃・十二指腸潰瘍、慢性胃炎、びらん性胃炎、胃がん、逆流性食道炎、食道がん、十二指腸乳頭部がんなどは胃内視鏡検査で診断可能です。
食道・胃・十二指腸の稀な病気
1. 粘膜下腫瘍 GIST
胃粘膜下腫瘍は、胃の粘膜下に発生する腫瘍の総称で、主に平滑筋腫や神経鞘腫、GIST(消化管間質腫瘍)などが含まれます。
通常、無症状ですが、大きくなると腹痛や出血を引き起こすことがあります。
GISTは、消化管に発生する稀な腫瘍で、c-kit遺伝子変異が関与します。治療は手術が基本で、再発リスクがある場合は、分子標的薬イマチニブが使用されます。
2. 食道アカラシア
食道下部括約筋が弛緩しないため、食物が胃に到達しにくい。食事後の嘔吐や胸やけが主な症状。
治療は手術や内視鏡的治療。
3. 胃カルチノイド腫瘍
神経内分泌細胞から発生する稀な腫瘍。通常無症状だが、大きくなると痛みや出血が現れる。
外科的切除が主な治療法。
4. 胃軸捻転症
胃が捻じれて閉塞を起こす病気。激しい腹痛や嘔吐が主な症状。
緊急手術が必要なことが多い。
5. 十二指腸乳頭部腫瘍
胆管や膵管が開口する十二指腸乳頭部に発生する腫瘍で、良性から悪性まであります。
症状には黄疸、腹痛、体重減少が含まれます。
診断には内視鏡検査が必要で、治療は腫瘍の切除が基本です。悪性の場合、外科手術が行われます。
6. 胃アニサキス症
生魚に寄生するアニサキス幼虫が胃壁に侵入することで発症する寄生虫病です。
激しい腹痛や吐き気を引き起こし、内視鏡での除去が治療法です。予防には魚の加熱や冷凍が有効です。
7. MALTリンパ腫
ピロリ菌の感染が原因で胃のリンパ組織に悪性腫瘍が形成されることがあります。
初期段階のMALTリンパ腫ではピロリ菌の除菌治療が奏効する事あります。
8. 胃原発性悪性リンパ腫
胃のリンパ組織から発生する稀な腫瘍。腹痛や体重減少が症状。
治療は化学療法や放射線療法が中心。
9. 胃アミロイドーシス
異常なタンパク質(アミロイド)が胃壁に沈着し、消化障害や出血を引き起こす。
治療は症状に応じた支持療法。
10. 消化管・膵臓神経内分泌腫瘍(NEN: Neuroendocrine neoplasm)
十二指腸に発生する稀な腫瘍で、ホルモンの過剰分泌を引き起こす。
症状は腫瘍の種類によるが、外科的切除が主な治療法。